光の姫は何も知らない
皆が一通り笑い終えるとミズノ君が咳ばらいしながら口を開く。


「さて、カイジも揃ったことだし行こうか」


「は? 行くってどこにだよ?」


ミズノ君の言葉に赤井君は訳わからないって顔をする。


赤井君の反応にミズノ君は碧山君の方を見る。


「行く場所言いますとカイジさん、来てくれませんから」


シュンって肩を落しながらぽつりと呟く碧山君。


その言葉を聞いてミズノ君も『確かにそうだな』って小声で答える。


「なに二人でコソコソしてるんだ?」


赤井君は不審な目でミズノ君と碧山君を見る。


「カイジは、黙って、着いてこればいいと思う」


「お前に言われたかねぇよ!」


ライト君の言葉に赤井君は怒鳴りつける。


はぁ〜。この4人は仲がいいのか悪いのか…


こっそりとため息をついて4人を見つめる。


「まぁ、カイジは気にすんなって」


ミズノ君は赤井君をそう言い包めて碧山君と一緒に赤井君の背中を押す。


「自分で歩けるから押すなー!」


それを大声を上げて拒否する赤井君。



その様子をライト君は静かに見つめていて、ぽつりとあたしにだけ聞こえるような小さな声で『単純…』なんて呟いていた。


これはこれで仲いいのかな?


そう思いながら皆の後を追った。





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