光の姫は何も知らない
「それと…今日の任務も忘れないで下さいね?」


赤井さんはそこまで言うと部屋から出ていった。


赤井さんが出て行くと赤井君達は、はぁって全身で息を吐く。


「赤井さんって厳しい人なんだね」


さっきの様子を思い出しながら言うと赤井君が恐ろしいモノを見るような目であたしを見つめる。


「お前は昔のじいちゃんを知らないからそう言えるんだ! 昔のじいちゃんは…考えるだけで恐ろしい」


「確かに理事長は前と比べれば丸くなったよね」


「ミズノはよくそんなこと言えるな。じいちゃんは地獄耳になんだからな!」



赤井君の怯え具合で赤井さんの怖さがわかった気がした。

でもあんな穏やかそうなひとがねぇ。やっぱり人は見た目ではわかんないよね。



「さっきはオレの考えなしの提案で連れてきちゃってごめんね」


そういえばあたし倒れたんだっけ?


「あっ。うぅん。あたしが行きたいって言ったんだもんミズノ君は気にしないで。
それよりも聞きたいことがあるんだけど…」



ん? あれ? あたしさっき何を見たんだっけ?


さっきの夢のことを聞こうと思ったんだけど何を聞こうと思ったんだっけ?




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