光の姫は何も知らない
「なっ! なんだよ…」


あたしの視線に気づいたのか赤井君は驚いた顔をする。


「あんな睨まれたら気になるでしょうが!」


「あっ? そんなことしてねぇよ!」


「してたから言ってるのよ!」


なんでいつも赤井君とはこんな言い合いしか出来ないのかな…


「まあまあ。落ち着いて。カイジはオレ達にヤキモチ妬いてただけだろ?」



ミズノ君が間に入ったって思ったらとんでもないことを言ってのけた。


「ちげーよ」


赤井君は顔を真っ赤にして言うんだけどそんな顔じゃぁからかってくれって言ってるようなもので…皆がニヤニヤしながら赤井君を見つめる。


それが我慢ならなかったのか赤井君は『俺はもう戻る』って怒鳴りつけながら部屋から出ていった。


「単純なやつほど扱いやすい」


「ミズノ君って…」


『腹黒ですか?』


そう聞こうと思ったらニッコリと笑うだけだったのでそれ以上聞けなかった。


ミズノ君にはあまり逆らわないようにしよう。


あたしはそう心に決めた。




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