光の姫は何も知らない



「それは私が理事長からあなたのことを伺ったからです。それでは参りましょう」


黒装束の男はついてこいという感じで歩きだす。


やっぱりついて行かないといけないよね?


自分で自分を言い聞かせて黒装束の男についていく。




連れて来られた場所はいかにもお金持ちですって感じがする扉の前だった。


「ここに…赤井さんがいるんですか?」


「さようでございます」


男は一言そう答えると扉を叩く。


その瞬間、あたしはゴクリと自分の唾を飲み込む。


勘だけど、ここの扉を開けたら自分の運命が変わるんじゃないかってそんな予感がした。



まぁ、あたしの予感はそう当たらないけど。






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