光の姫は何も知らない
「それはこれがテストだったからです」


「はい?」


テストってどういうこと?


そりゃあ能力が使えないと学校に入れないってことになってたけど。それとテストとなんの関係が?


「テストに影(本物の敵)を使うのはいいのかよ?」


さっきまで黙っていた赤井君が口を開く。


「あぁ。さっき倒したのは本物じゃなくてバーチャルですよ。つまり、つ・く・り・も・の♪」


ミズノ君は造り物というところだけ一つずつ答えたのがイラだったのか赤井君が怒鳴る。


「造り物だと! それならそうと最初から言えよ」


それはごもっともです。


なんて一人納得してるとライト君がゆったりした口調で話し出していた。


「造り物、だってカイジに最初から言ってると、カイジはヒカリに話すから」


「なるほど!」


ライト君の言葉にも納得してしまう。


確かに赤井君なら話す確率高いわ。


「おい! そこはフォローしろよ」


不機嫌そうに赤井君は言うけどそんなのは全然怖くなくてどっちかと言うとかわいくみえた。


「そんなのは赤井君のわかりやすい性格のせいだからあたしには関係ないし。それに皆のおかげで能力を使えたんだから逆に感謝しなきゃね」


ニコッて感謝の意味をこめて笑顔を見せると赤井君を含めず全ての人が笑顔を見せてくれた。


それが嬉しくてまた笑顔を返すと口々に『ようこそ! わが学校に』って言っていた。


そのことが認めてくれたみたいで嬉しかった。



こうしてあたしはこの学校に入学することになったのだった。




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