はつこい。

01

親友の恋人

「あーき!!聞いてる？」

授業の合間の休み時間に、中学からの親友の葉月が言ってきた。
ついでに頭も叩いてきた。

（…！……痛い）


「なに？」

「だから、私の話ちゃんと聞いてた？なに見てたのよ」

「あー…、ごめん。聞いてなかった。何の話してたっけ？」

そう言いながら、焦って視線を窓の外から目の前の葉月に向ける。

最後の言葉はスルーだ。

「昨日彼氏できましたって話、してたのっ」

と、頬をぷくっと膨らませて少し怒りながら言ってくる。
それを見て、そんな顔しても可愛いだけで怖くない、と思い苦笑い。

この可愛く怒る親友、大倉 葉月（おおくら はづき。
いつも髪をツインテールにしている。
葉月は凄く一途で優しい子だ。
だけど、男を見る目がない。
付き合う男のほとんどがダメ男。

「そうなの？おめでとう。お相手はだれ？」