はつこい。

にこ、とちょっと照れながら話す彼女を、かわいいなー、なんて思いながら、話の続きを促す。

「昨日帰りにコンビニに寄ったらたまたま真田くんにあったの。それで、中学のときの話してたらいきなり『俺、あの時ずっとお前のこと好きだったんだよな~』って。」

「ほんと?それで、なんて答えたの?」

「私、無意識に『私も~』って言っちゃって。で、お互い『えぇ?!』ってなって。」

「なんか、漫画みたいな展開だね。そんな展開がリアルにあるとはねー。」

「でしょう?私たちも爆笑しちゃった。で、じゃあ付き合う?みたいな感じになったの。」

「まぁ、良かったじゃん。両想いで!!おめでとう。」

「ありがとう!あきも、はやく恋見つけなよ。毎日が楽しいよ。」

「え~?私はまだいいよ。興味ない。だいたい、いまいち『好き』って感情がわかんないし。」

そのうちわかるよ!と笑顔で言う葉月にそうかな?と答えながら、次にはじまる授業の準備をする。

(はぁー、恋、ねぇ…。彼氏が欲しくないわけじゃないけど、好きでもない人とは付き合いたくないし…)

そんなことを考えていると、前の席に座る葉月が振り向いた。






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