はつこい。

「あ、土曜日予定ある?」


「ん?土曜日ー…、なかったと思、う、よ?」

必死に土曜日の予定がなかったか頭の中の予定表で確認するが、いまいちよく覚えてなくて、語尾が疑問形になってしまった。

「ちょっと~、なんで疑問系?自分のことでしょ。しっかりしてよ。」

「ごめん。あんまり覚えてないや。確認したらメールするよ。」

家に帰ったら、カレンダーで確認することを心に決め、で、なんで?と自分の疑問を聞いた。

「土曜日に真田くんとデートするんだ。付き合って。」

驚いて、下に向けいていた視線を彼女に向けると、にっこりと言ってきた。

「私、邪魔じゃない。2人で楽しんで来てね。」

二人の邪魔はしたくないし、何より多分暇だろう。

「邪魔じゃないから!!お願いっ!」

えー、と口元を歪ませる。

それを見て、葉月は苦笑いで話を続けてきた。

「やっぱり初めてのデートって緊張するでしょー?」

「今まで何回もデートしたことあるじゃない。今更なんで恥かしがるのよ。」

「そうだけどー、なんか真田くんとデートだって思うとすっごい緊張するの。ね、お願い!」

目を潤ませながら顔の前で手を合わせて、必死に頼んでくる。

「真田くんの方も友達連れてくるみたいに言ってたから!あきが来なかったら真田くんの友達一人ぼっちになっちゃうかも…それって可哀想じゃないの?」

「…しょうがないなぁ。行くよ。」

はぁーとため息をつきながら答えると、たちまち笑顔になり、ありがとう!と葉月が言ってきた。







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