はつこい。




放課後、葉月と一緒に途中で寄り道をしながら帰っていたら、家に付く頃には空はもう結構暗くなっていた。

「ただいま。」

玄関に入ると、珍しく早く帰ったらしいお父さんの靴があった。

リビングに行くとソファーでテレビを見ながらビールを飲んでいるお父さんが見えた。

「おー、おかえり。」

「ただいま。今日はかえるの早かったんだね。お母さんは?」

「母さんはあっち~。」

視線の先を辿るとキッチンだった。
キッチンを覗いてみると、パタパタと夕食の準備をしていた。

「おかーさん、ただいま。」

「あ、明菜!おかえりなさい。もうすぐご飯できるわよ。着替えてきたら?」

菜箸でお皿に盛り付けながら言う姿を見て、はーい、と返事をして着替えに自室に向かう。

(はぁ~、いい匂い。おなか減ったなぁ。)

階段までいい匂いが漂ってきていて、ぐぅ~とお腹がなった。

(…お腹なっちゃった。)

部屋に入り、制服からラフな洋服に着替えると、ふとカレンダーに目が行った。

(あ、そうだ。土曜日…)

葉月に土曜日に予定が入っていなかったか、メールするように約束していたことをすっかり忘れていた。

(土曜日、土曜日…っと。あ、やっぱり何もない。メールいれとこ。)


to:葉月
title:
-------------------
土曜日やっぱり予定、入ってなかったよ。

        明菜


それだけ打って、部屋を出て、リビングに向かう。


夕食を終えて、部屋に戻ると携帯に葉月からの返信が来ていた。
内容を見ると、

from:葉月
title:無題
-------------------
そっか。
時間と集合場所は、明日教えるね。
        葉月


(返信は…まぁ、しなくても大丈夫かな。もうお風呂入って寝ちゃお。)




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