はつこい。


「すっかり暗くなっちゃったねー」

葉月が全てのプリントを解き終わり、先生に提出して外に出ると、もう外は暗かった。

「ごめんね、あきぃ。遅くなって。」

「いいよ。葉月といるの、好きだし。」

「あたしも!!あきと一緒にいるの、好きーっ!てか、あき大好きっ」

「…………」

「…無視?」

「……どう返せばいいのか、分からなかった。」

「ここは、『わたしも葉月大好き!』って言うところでしょー?!」

暫く2人でクスクス笑いながら歩いていたが、葉月が話題を変えた。

「あ、明日あたし一度あきの家に行くね!!」

「いいけど、なんで?」

「あきのこと可愛くしてあげるためっ」

葉月は楽しそうに話す。

「え、なんで?あたしのことは気にしなくていいよ。
それよりも自分に時間を掛けなよ。」

こんなことを言うには、ちゃんと理由がある。

葉月は準備に人一倍時間が掛かる。

そんな明菜の気遣いに気付かない葉月。

「いーから、いーから!はい、決定〜!!」


「(大丈夫かな…。大丈夫じゃないんだろうな…。)」
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