奈落の王女に仕えしは執事

「…大丈夫です、私がこれから護りますから」

「いいえ!それでは国がっ……国、が…」

私は、大切じゃない…
国に見放された…のだから。

「姫、大切じゃないものなどおりません。…たとえ神が見放そうとも私は見放さない、

死ぬまで貴女にお仕え致しますから」

「……レイン…ありがとうございます………」

少し涙がこぼれた。
それは何に対しての涙?

私はまた国に戻れるのだろうか…あの平和な国に…

幸せが戻ってくるのを待とう。
執事や従者の気持ちを無駄にしてはいけないのだから。

…私は、生きていかなきゃ…

「…よろしくお願いします、レイン」

「…はい、アリア様」

そこが、私とレインのスタート地点だった。

 
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