奈落の王女に仕えしは執事

「は~本当にレインは完全無欠ですよね」

椅子に向かい合いながら、ホットミルクを飲んでいた。
レインは私を安心させたいのか、ニコニコ微笑みながら私を見ている。

「ありがとうございます」

そう言うと、
レインはまた一口ホットミルクを飲んだ。

「………」

少し沈黙が流れる。
沈黙を破って、私はふと思ったことを口走った。

「いつも何を考えてるんですか」

「姫のことです」

本気なのか、冗談なのか…
とりあえず分からないけど、軽く頭を叩いた。

「姫は何を?」

「…貴方の完全無欠はどうやったらそうなるのか」

「ありがとうございます」

叩いたかわりに、
レインは私の頭を撫でた。

暖かい温もりが、
気持ちよかった…

 
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