奈落の王女に仕えしは執事

気付いたらレインレインと、
名前を呼んでいた。
でもいつの間にか、歩いていたらレインとはぐれてしまう。

「…レイン?」

人混みは苦手。
たくさんの人にぶつかって、
とうとうフードが取れてしまった。

「あ…大変」

「あんたアリアか!」

「………」

どうしよう、
レインいないし…
しかもこの人混みってエンリの方々じゃないですか。

ざわざわと次第に人が集まってくる。

「ち、違います」

「…いいや、アリアだ!おいアリアだぞ!!」

「っ、やばいですね…」

とりあえず人混みの中にフードを被って走り回った。
でも人混みの大半はエンリの兵士で、とうとう私は手を捕まれてしまう。

「っ…!…は、放し」

「姫!…大丈夫です?とりあえずここからは逃げましょう」

そう言ったら、私の手を握って走った。

「逃げたぞぉ!追えぇ!!」

更にたくさん人は集まる。
とりあえずレインは山から離れて、更に奥の城下町まで進んでいった。

< 28 / 92 >

この作品をシェア

pagetop