奈落の王女に仕えしは執事
近くに私たちがいる家とは違う場所があった。
とりあえず馬車が置いてあったからバルツさんだと祈って、扉を開く。
「…!バルツさん!!」
「んぁ?嬢ちゃんじゃ、いっ!!?」
つい私はバルツさんの髪を引っ張っていた。
ヒリヒリ痛むのか、頭をなでている。
「大変なんです…とにかく来て!!」
「お、おうっ…」
バルツさんは馬車を持ってくるから、私は先にレインのところに行った。
早くしなければ…
いつも元気だったレインが、
風邪?…いや、分からない…
とにかく、全力で向かっていった。