奈落の王女に仕えしは執事
「…レイン…」
荒い息、汗が止まらない。
まだ出会って一週間も経ってないのに、こんなに苦労させていたのだろうか…
「嬢ちゃん!」
「バルツさん…」
「とりあえず後ろ乗りな、家まで送るよ」
バルツさんがレインを後ろに乗せて、私はレインに膝枕をした。朝と一緒、ゆっくり髪を撫でながら私はレインを見つめる。
気のせいか、
少し落ち着いた気がした。
「…なんて、早すぎますね」
ぽつりと、
呟いていた…