奈落の王女に仕えしは執事
「薬薬…あった」
多分風邪だと思うんだけど…
…とりあえずレインの口に錠剤を入れて、水を飲ませた。
「…ん…」
濡らしたタオルでゆっくり額の汗を拭き取る。
「…ひめ…?」
「レイン…!大丈夫…?」
コクンと首を縦に振って、
伸ばした手で私の頬を撫でた。
「…ありがとう」
「…どういたしまして、…まだ寝てて、風邪治ってないでしょう?」
「…そうですね」
ゆっくり布団に潜り込むのを確かに、私は部屋から出て行った。