奈落の王女に仕えしは執事

バタン!!
急いでバルツの家の扉をひらいた。姫の姿はなくて、ぞっとするような気持ちが湧く。

「レインじゃねえか、病人は安静にしとけよぉ?」

「五月蝿い……姫、は?」

「嬢ちゃんかい、アンタんちにいねえの?」

ここも駄目なら…
町に行くなんてあり得ないはずだし……

とりあえず相槌だけ打って、
私はもっと森の深くまで走っていった。

 
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