奈落の王女に仕えしは執事

「っ、姫!!」

力を振り絞り叫んだ。
とても身近にいそうで、ただ叫ぶだけ。

自分らしくもない、
形相を変えて姫の心配しかできなかった。

足が重いからなんだ、
目が霞むからなんだ、

「…っ、…はぁ…」

次第に息が荒くなる。
やっぱり風邪なのに無茶をしたかと思った。

いつの間にか変わっていたシャツを握り締めて、家へ向かう。

 
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