奈落の王女に仕えしは執事
トレイに乗せて部屋まで持って行ったら、静かに寝ていたレインの姿が目に入った。
「…置いとこう…」
鍋に蓋をして、近くのテーブルに置いた。
椅子に座ってレインの髪を撫で回す。
指がするすると通った。
「いつもありがとう」
口から自然と漏れた言葉、
それとともに泣きそうなぐらいに、愛しさが募る。
嗚呼、やっぱり私はレインが…
とても大切で愛しい。
「ありがとう、レイン。
愛してますよ」
今自分は、とても微笑んでる。
心のもやもやが晴れた気がして、レインの頬に触れた。
…それから私は、
気づくと寝てしまっていた。