奈落の王女に仕えしは執事

「…嫌、じゃない」

「えっ…?」

体を離して、レインを見た。
少し目が潤んでいる。
…頬に触れて、そのままレインに喋りかけた。

「…レイン、胸がドキドキしたり…辛くなるのは…“好き”なのですか?」

「…姫、それは…本当に?」

こくんと頷いて、レインを抱き締めた。
好きなのです…
私は誰よりもレインが。

「…姫……」

レインの手が、私の背中に触れる。それと同時にゆっくり抱き締めてくれた。

「…好き、なのです。…私は姫に…。…いけないと分かっても…すいません…」

“一目惚れをしたのだと”

「…私も…私もです…」

それを告げた途端に、
心のもやもやが抜けていく。
とてもとても愛しさがあなたに伝わった気がした。

クスクス笑うあなたが愛おしい、それは誰よりも負けないぐらいに…


 
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