奈落の王女に仕えしは執事

そしてレインは、
頬にキスを落とした。

どこかの本や伝説みたいに、夢のような現実。

「…ありがとう、レイン…」

身をレインに預けた。
レインは髪を撫でて、私の名前を何度も囁く。

とても幸せ、
きっと私は一番幸せなのでしょう…

そう思った。

「……愛しています」

出会った時から始まっていた。
始まりは終わりを告げずに、永遠に語り継がれるでしょう。

ただ私は、そう思った。

 
< 52 / 92 >

この作品をシェア

pagetop