奈落の王女に仕えしは執事

「…あの時、見たときから護りたいと思ったんです。…そしていつの間にか、これが好きということに…」

「…そうなんですか…」

今まで接してくれたレインの心に、私に対しての気持ちがあったなんて…

「…嬉しい」

「…姫こそ、いつからです?」

微笑みながら、私に聞く。
私は今までを振り返り、とりあえず、

「レインと一緒です」

そう言って、手に触れた。
この気持ちは、本物。

今まで、

世話してくれて
おもしろくて
強くて優しくて

私のヒーローでした。

「…姫、ありがとう」

「何回も言わなくていいんです。それに、明日チョコケーキ作ってお返ししますから」

「あ…」

ずっと冷蔵庫に保存されていた材料を、明日使う。
そして感謝を込めて、世界一のケーキにするんです!

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