奈落の王女に仕えしは執事

あれから、
私たちはバルツさんの家に伺った。日頃お世話になってるお礼に、プレゼントを渡す。

「こりゃ悪いねぇ、…あんたら…もしかしてデきてる?」

そんなことを聞かれたから、レインはニコニコしながら口を黙らせた。

「…帰りましょう、姫」

「そうですね」

まだ外には厳重な警備がうろうろしているらしい。
あまり外にはいられないから、私たちは家に帰って行った。

「………悪いねぇ」

ふと、彼が告げていたのにも気づかずに。



< 60 / 92 >

この作品をシェア

pagetop