奈落の王女に仕えしは執事

考えてみれば、短かったけどそれなりに幸せだった。

大好きなあなたと過ごせた日々、何よりも幸せだった。
いつもいつも、あなたばかり。

一回しか呼べなかった、呼び捨てでの名前。

朝、出かけずに一緒に過ごせば良かったなんて後悔した。

こんな風になるなら、
もっと二人の時間を過ごせたはずなのに…

最後くらいは姫を見たかった。
もう少し、ほんの少しでも良いから声が聞きたいと思う。

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