奈落の王女に仕えしは執事
目を覚ました現実は、
水音が鳴り響く孤独の世界。
暗くて不気味な世界は、どこか真実を告げていた。
「…怖いよ…レイン、ねぇ…レイン…!」
反応を、くださいっ…
誰か私に気づいて、手を差し伸べてくださいっ…
その瞬間、
走馬灯のように様々なグラフィックでできた光景が浮かんだ。
「またこんなことも出来ないんですかっ!!?王女としての自覚をお持ち下さい!!」
「はぁ…あんな方が王女だなんて…気がおかしくなりそうだわ」
「本当に何で…?あんな方よりもマシな方がいるはずよ、やめちゃえばいいのに」
違う、違うの。
頑張ってるんだよ…?
私なりに世界を生きてみてるんだから…
何でみんな拒絶するの?
嫌、外面だけの味方はやめて
助けて、誰か助けて…
「あんたなんか生まなきゃ良かったわ!」
ああ、私が怖い。
生まれてきてしまった自分を殺そうと、何度も何度も泣いた。
でも死ねないのが現実で、
ただ全てを受け入れてしまえばいいと、全てを塞ぎ込んだ。