奈落の王女に仕えしは執事
それから私は、
全てを受け入れて生きてきた。
両親の死も、何もかも…
「…やっと気づいたのですね、姫…」
「…レイン…!」
そこにいたのは、レインだった。
どんどん遠ざかるレイン。
追いかけても深い暗闇が足を引きずり込んで動けない。
これ以上、
泣きたくないと思ってた。
本当は両親が好きだったんだよ、従者達も大好きだったんだから…
でもどうして私は、
奈落の穴に突き落とされたのだろうか?
ごめんなさい
ごめんなさい
誰か助けて……