奈落の王女に仕えしは執事

お粥は凄い美味しくて、お腹が空いていたから尚更美味しかった。
ホットココアも一口飲むと、寒かった体も少し暖まる。

パチパチと暖炉の火も暖かいし、布団も暖かいし…

何か辛さも収まった…気がした。

「どうです?」

「はわぁっ!!…って貴方ですか…」

「他に誰がいます?…まぁ良いですが」

「…ありがとう、美味しかったです」

いきなり現れたその人は、私のお粥の皿をトレイに乗せて、別の部屋のキッチンに置いていった。

また部屋に戻ってきて、その人は私の前に座ると、いきなり顎を掴んで顔を覗き込む。

「…翡翠の瞳…やはり貴女はアリア」

綺麗な顔が、私の前に。
ふと思った。

(睫長ーい!肌白ーい!瞳が朱色だー!)

……綺麗ですね…

「…貴女の方が」

「えっ!?」

「心なんか読めますよ、貴女の事は何でも分かりますから」

クスクスと笑いながら、私の髪を撫でた。
その手つきは、何だか親みたいに優しい。

「…さぁ、何か質問は?」

すると、彼は口を開いた。

 
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