奈落の王女に仕えしは執事

「ちょっと、形が!」

そして今ケーキ作り真っ最中。
スポンジが出来たから、ゆっくりチョコクリームを伸ばしていた。

レインがたくさん皿に飛び散らせていて、どうしてこの時に限って料理が出来ないのか…
と、思う。

「いいんです、気持ちがこもってますから」

「……そう、だね。気持ちがこもってるから大丈夫です!」

「心変わり早いですね」

そんな私の頬を、ゆっくり撫でてくれた。
…クリームがついてしまってる手で。

「あ…」

「…レイン?」

少し怒ったけど、
急いで拭き取ってくれたから、とりあえず良いかな。

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