セレブリティー・ラヴ
あれから。

密かに俺が毎朝、朝会でキミを目にしてるのを

キミは知ってるだろうか?


入学式以来、廊下ですれ違う事もなく、話す事もなく。


4月も終わりに近づいてきた。


今日も、女の子達が俺のところへ集まってくる。


「香坂様〜クッキー焼いたので食べてくださぃッ」

「香坂様〜わたくしのケーキもどぉぞ!!」

「香坂様」
「香坂様」


「ありがとう、帰ってから食べさせてもらうよ。」


『キャーッ』


…と、言っても…。

食べきれないんだ。


だから、少しずつ食べて、あとはメイドや執事、甘党の妹にあげてしまう。

悪い事だとは思うが、全部食べるのは無理だし、腐らせてダメにしてはもったいないから…

仕方ない。
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