セレブリティー・ラヴ
織原財閥の系列ホテルに着くと、ホテルマンがドアを開けてくれた。

「ありがとう。」

軽く礼を言って中に入る。


会場に案内されると、既に来ている経済界の大物達がたくさんいた。


「徹。こんばんは。
あなたも居らしてたのね。」

「沙羅…。」

呼ばれて振り向くと、生徒会仲間で…元彼女の…沙羅が立っていた。

「花草のお嬢さん、こんばんは。」

「香坂様、御機嫌麗しゅう!」

「ははははは。
うちのバカ息子が会長なんて迷惑かもしれないが、よろしくな。」

「いえ、そんな…こちらこそ、ですわ。」


父さんの“よろしく”に表向きと違う意味が含まれていたのか分からないが、ちょっと引っ掛かるものがあった。
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