セレブリティー・ラヴ
気がつくと、周りには、さっきまで踊っていた人たちは何故か下がっていました。

踊るのは、私と先輩だけ。

「あずき、テラスの方に行こうか。」

「はい…。」


私は先輩にリードされてテラスにやってきました。


「…夜風が気持ちいいですね〜」


火照った体にちょうどいい。


「香坂先輩??」


テラスから外を眺めたままぼーっとする先輩を呼び掛けました。


「あずき…名前で呼んで?」

「…徹…サマ??」


『“サマ”でもいいか。』と呟く先輩。

先輩の見ている方向を私も見てみました。


ライトアップしている噴水。

薔薇の植木が周りにある。

「あっち、行ってみませんか??」

「…え?」

私の唐突な申し出にビックリした先輩は『いいよ。』と言ってくれたのでした。
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