セレブリティー・ラヴ
私達の他に誰もいない生徒会の資料室。

ドアを閉めると先輩は口を開きました。


「率直に言うわ。
──…徹と別れて。」


……??


「徹は、貴女の事を一人の女とは見ていない。
徹は、貴女に触れた事があって?
…私には、あるわ。」


…触れ…る?

…ってやっぱり、そうゆう意味??


「所詮、貴女の事を妹のようにしか思ってないわ、彼。」


…妹…。

たしかに、そう言われてしまえば、そうなのかもしれない。


「だから、私に徹を返して。」


でも。

たとえ、妹のように思われてたって好きな気持ちは変わらない。

──…徹先輩と、一緒に居たい。


「ごめんなさい、先輩…。
私、嫌です。」

「何をおっしゃって…!!」


ガチャ。

ドアが空いて、木境先輩が入ってきた。


「沙羅、もう、充分だろ。
…小豆ちゃん、行っていいよ。」

「晃!!」

「沙羅。
こんな事したって、徹は離れていくだけだ。

…今回の事は黙っておく。
小豆ちゃんも、悪いけど黙っててくれないかな?」

「はい…分かりました。」


私は、お辞儀をして資料室をあとにしました。
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