セレブリティー・ラヴ
「徹…。」


中庭で待っていると沙羅が来た。


「沙羅。」


俺は沙羅の方を向くと、頭を下げた。


「ごめん!!」

「ぇ…??」

「俺は、気持ちも無しに沙羅と付き合った。
それで、君を傷つけた。
だから…。」

「いいわ、そんな事。
これから好きになってくれたらいいわ。」


そう言って、首に手を回してきた沙羅。


「ごめん。それも、無理だ。」


俺は手を振り払い、背中を向けた。


「お願い…徹!!
わたくしを…沙羅を選んで!」

「ごめ…」

「なんで!!
どうしてあの子なの!?」


俺は、空を仰いだ。

すると、屋上にあずきが見えた。


「沙羅…君…。」

「織原さんに見てもらおうと…」

「見て…もらう?」


縄で縛って、口をふさいで?


俺は、校舎に向かって走り出した。


「徹!!
どうして…どうし…」

「あの子を、……愛してるからだ!!」


俺は立ち止まって振り向くと、そう叫んだ。
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