セレブリティー・ラヴ
「こ、香坂様!?」

「あの、ここから先は…」


必死に隠そうとする2人に俺は笑顔で告げた。


「今回の事、先生方に知れたら大変だろ?
君達も、沙羅も。」


沙羅のファンとみられる2人には効果があった。

沙羅の名前を聞いて、ビクッとしていた。


「このことは公言しないから、そこを退いてくれないかな??」


2人は顔を見合せて、そそくさと去って行った。



交換条件をこんな風に使ったのは初めてだ。

あの生徒達を脅す形になってしまったのは申し訳ない気がするが、手段は選んでいられなかった。


早く、あずきに会いたい。


それでも、ドアを引く手は少し震えていた。
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