【短】Name
………振り返った惣介は、
耳まで真っ赤だった。
………………ん?
てことはもしかして………
ぶっきらぼうなのも、
目を見てくれないのも……
私のことが嫌いとか、
そういうことじゃなくて。
彼なりの、“照れ隠し”?
―――――もし、そうだとしたら。
「……惣介って、可愛い……」
まだ赤さが引かない惣介は、
顔を隠すように左手を顔に置いている。
もしかしたら私の声が
聞こえていないのかもしれないけど、
さっきの惣介の反応だけで、
もう十分だから。
「……帰ろっか。」
私がそう言うと、
惣介は小さく頷いた。
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