【短】Name
告白した時だって、
半分以上自棄になってた。
付き合ってくれるなんて、
思ってもみなかった。
だから、今こうしていられる
だけでも幸せなんだってこと、
本当はわかってるつもり。
―――――それでも。
仮にも恋人同士なのに、
相変わらずぶっきらぼうだし、
話す時もこっち見てくれないし。
付き合って二ヵ月も経つのに
この状況では、本当に
愛されているのか、
不安になってしまうものだ。
告白にOKしてくれたのも、
私があまりにも必死だったから、
断れなかっただけかもしれない。
本当は私のことなんて、
何とも思っていないのかもしれない。
現に、惣介は私に一度も、
“好き”って言ってくれてない。
だからと言って、私から
聞くことなんて絶対にできない。
「私のこと好き?」なんて、
口が裂けても聞けないよ。
恥ずかしいし、何より……
答えを聞くのが、怖いから。
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