【短】Name
惣介が、いきなり大声を張り上げた。
まだ日暮れ前だから、それほど
近所迷惑ではないと思うけど……
私には、ショックが大きかった。
そんなに呼びたくなかったのか。
……聞きたくなかったのだろうか、
私の名前を。
やっぱり、惣介は私のことなんて
好きじゃなかったんだ。
告白されたから、
付き合ってただけなんだね。
断れなかったんだよね。
……あなたは、優しい人だら。
「馬鹿みたいじゃん、私…」
あまりにショック過ぎて
涙が零れそうになったけど、
背中しか見えない惣介が微かに
震えているのを見て、
止まった。
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