へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「よぉーっし、分かった!!要は、オマエら二人を殺して、可愛いメフィちゃんの心臓を抉れば、GHE ENDって事なんだろ!?」
ケラケラと長いベロを上下に出して笑い、自分の首に親指でクイッと横線を引くその行為は、同時に攻撃開始の合図にもなる。
ドドドド、と大地を揺るがすくらいの勢いで、敷地内に駆け込んでくる大勢のヴァンパイア達に、あたしは姿勢を低くして戦闘体制に入った。
よくよくソイツらの様子を観察してみれば、最早通例に近い容姿をとどめるどころか、ただの獣と化して四つん這いになって来る奴までいる。
それはまさに、俗に言う「地獄絵図」の様な光景で…
「何なんだ、コイツら!?」
流石に、マズイと思った。
天空を見上げれば、空には背中から漆黒の羽を生やしたヴァンパイアもいて…飛行能力がある者やない者
しまいには、理性を持ち合わせた者やそれが欠如している者、ありとあらゆる、ヴァンパイア界の生物達が一斉に襲いかかって来ている錯覚を覚えた。