へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「大体…そんなに“チャラチャラ”してるから、上層部のオヤジ共に影でバカにされるんだぞ」
「……」
図星を突かれて返す言葉が無いのか、ソイツは無言のまま鋭く睨みをきかせてくる。
そして、それを挑戦と受け取ったあたしは、ニヤリと不敵に微笑んでトドメの言葉を放った。
「だから、“あの女”にもフラレるんだな」
「……!!」
その言葉に一瞬にして頭に血が上ったらしいソイツは、さっきとまた同じ事の繰り返しなのに、あたしの首に手を伸ばしてくる。
…ワンパターンな奴
それに対して、あたしが感じたのはそんな冷めた思いだけで……
そっちがそう来るなら、こっちも…と、今度はその急所を蹴りあげてやろうと、少し足を引いてから振り上げた。
すると
「相変わらず、仲がいいね」
不意に何の気配も感じさせずに、耳元に届いた声にギクッとする。
「そして、相変わらず……フィアは、足癖が悪いね?」
「……っ」
───あたしがこの世で嫌いな人間のタイプは、二種類ある。
一つは、頭ごなしにしか人を怒鳴りつける事が出来ない 脳なしタイプ
そして、残りのもう一つは……