へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
───…それが何に緊張しているのか、あたしは聞くまでも無い。
「そんな強さを持つのは、アイツしか思い当たらない」
それはあたしの言葉にでもなく
その事実にでもなく
「ヴァンパイア・ブラッド」
ソイツの存在自体に───…
「ヴァ…」
「例え、そうだったとしても、それは私達の“管轄外”だよ。フィア」
恐る恐る、あたしの言葉を繰り返そうとしたウェルシーを遮り、キルバッシュは釘を刺すように言う。
「上級レベルのクイ-ルの権限は、全て本部にある。例え、今回の犯人がそうであったとしても、私達に出る幕はない」
分かっているだろう?と、言わんばかりの無言の圧力に…あたしが感じるのは、単なる苛立ちのみ
「関係ない」
だから、誰にどんな事を言われようとも…やはり、あたしはそう言わずにはいられないだろう。
「ヴァンパイア・ブラッドは、あたしが殺す」