へたれンパイア~バイオレンスな生贄~


その間にも、天井上での物音がどんどん激しくなる。




「ウェルシー!お前は、丸腰でもいいから、キルバッシュの加勢に入れ!!」


「何で俺が!?」


「だって、お前は副隊長だろう!?隊長を一人で戦わせてていいの!?何かあったらどうする!!」


「それはコッチの台詞だろ!?お前こそ、隊長と副隊長を守ったらどう…」


そんな口論をしている間に、一度エレベーターが大きく揺れ、中にいたあたし達は激しい衝撃に揺さぶられた。




「……っ、たた…」

強く頭を打ち付けた痛みに顔をしかめながら起き上がると、あたしの上に覆い被さって、降り注ぐ瓦礫から守ってくれているウェルシーの姿があった。



「……ッ、オイ…大丈夫か?」


「…隊長命令…?…っ…てて‥」


「…ったく、可愛くねぇな。俺の好意だよ、素直に受け取っておけ」


相変わらず、憎まれ口を叩き合いながら身を起こすと、天井にポッカリと開いた大きな穴が目に入る。



「…キルバッシュは、空中戦?」


「だろうな、今のアイツのブーツは対ヴァンパイア用に開発された新アイテムだ」

何でもない事のように言ってのけたウェルシーに、あたしは目を見開いた。


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