へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「新アイテム…?そんなの初耳だぞ。この前言ってたヤツだって、まだ支給されてないのに!?」
「…イチイチ喚くな……今、キルが履いてるのは2作品目で、この前のヤツは失敗だったんだよ」
大声を出したあたしに耳を塞ぎながら、ウェルシーは事情をかいつまんで説明した。
「改善に改善を重ねて作った2作品目だ。今度こそ、失敗は無いと思うが…その成功度数が、どのくらい高いかは分からないな」
小さな溜め息がてらそう言った反応に、期待は薄いのだと悟る。
「…卑怯だぞ。いつもいつも、お前らだけ新しい武器を手にして…ッ」
「アホか、あの変態科学者の実験台になる俺達の身にもなれ」
恨みがましい視線を添えて言ったあたしに、ウェルシーはニベもなくバッサリ切り捨てた。
すると、開いた天井穴のずっと上の方から“ドオォォン”と言う激しい衝撃音が聞こえ、パラパラと金属の破片なんかが落ちてくる。
「…派手にやってんな」
「……」
深い暗闇を見上げながら言ったウェルシーの言葉に、あたしは居ても立ってもいられなくなった。