へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「痛っ…て‥ぇ!何すんだ!?」
「銃を持ってるなら、初めからそう言え!そうすれば、余計な傷を負わなくて済んだものを…」
興奮したせいで血の巡りが早くなる傷口を押さえ、目の前の憎き奴等に視線を向ける。
「仕方無いだろ!あの変態科学者に無理矢理手渡された試供品で…俺だって、本当は使いたくないんだから!!」
投げやりにそう叫んだかと思うと、まるで継ぎ接ぎのブリキ玩具のような不格好な銃のトリガーを引き、照準を定めたウェルシー
しかし、予想と反してその銃口からは、一発の銃弾も発射されず……その代わりに、銃を持つウェルシーの手がブルブルと震え始める
弾の発射口に急速に集まっていく、何らかの高いエネルギー源を感知したあたしに、ウェルシーは焦ったように声を発した。
「耳を塞げフィア!!」
「……!!」
その瞬間、目が眩む程の眩い閃光が辺りを包み、“音に鳴らない音”が耳の鼓膜をつんざく
ビリビリと震える衝撃波に全身が痺れ、耳の奥ではキイィンと高い耳鳴りが響いていた。