へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「ウェルシーと心中なんて、真っ平御免だ…ッ」
「……っ、コッチもだバカ!お前と心中なんてしたら…あの世でもキルに怒られる事になる‥!!」
その台詞に、どこまでキルバッシュを恐れれば気が済むのかと…冥土の土産に言ってやろうとしたところ、どこからともなくカラカラカラと音がして、小さな瓦礫と一緒に降ってきたそれを咄嗟に手に取る。
「…う゛おっ!?何した!?さっきより、重いぞ!」
それに逸早く反応したウェルシーの過敏さに感心しながらも、手にしたそれをグッと握って感触を確かめた。
「銃だ…」
「はぁ!?」
「さっきの銃だ」
ウェルシーの言う通り、それはズッシリと重くて手のひらに伝わる重厚感がある。
「……重いぃ…ッ、いいから‥早くそれを捨てろ…ォ!」
そろそろ本気で限界が近いのか、二人分の体重を支える腕をプルプル震わせながら、ウェルシーが苦しげな目付きで見下ろして来た。
「何発だ!?」
「あ゛ぁ!?」
「この中に、弾は何発残ってる!?」
もう会話する余力もなさそうなウェルシーを押しきり、あたしは口早に問う。