へたれンパイア~バイオレンスな生贄~


「メフィスト…だったか。何故、一人であんな場所にいた?」


「だーかーらー、道に迷ってたんですってば」

厳しい尋問口調のあたしに不服を申し立てるように、唇を尖らせ答えてくる。



「道?居住地区からあんなに離れた場所まで、道に迷うわけないだろうが」


「…‥わぁ…」

完全にメフィストを怪しむ目付きで、言葉を吐き捨てるウェルシーに、怯えた表情で肩を竦めたメフィスト


その様子を見て、キルバッシュが口を挟む。



「ウェルシーは黙ってて、君が口を挟んだら怖がって取り調べが進まないよ」

静かにたしなめる彼の言葉に、ウェルシーは従うしかない



「姉さん…あの人達なに…?」

すっかり、人間不審になりつつあるのか…メフィストは、いかにもビクビクした感じであたしに問い掛けてきた。


「…このクイール東支部の討伐隊長・キルバッシュと、その下僕のウェルシーだ」


「副・隊・長だ!」

然り気無く"ジョーク"を織り混ぜて話したあたしに、すかさず突っ込みを入れたウェルシー


そんな奴を無視して、あたしは尋問を進める。


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