へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「あ…え‥、と…」
「姉さ───ん!!しぬの!シヌの!?死なないよね!?ヴァンパイアにならないよね、平気だよね…ッ!?」
すると
相変わらず、空気を読めないソイツがタイミングも考えずに、あたし達の間に喚き込んでくる。
…そのお陰で、キルバッシュの意識が少しウェルシーから外れた。
ホッと息を吐くウェルシー
「イーヤーだーよー!姉さんが居なくなったら、俺生きていけないよー!!」
いつの間に、ソイツの中でそんなに話が大きくなっていたのか…鉄柵に繋がれた手錠をガシャンガシャンと喧しく鳴らし、まるで犬の遠吠えのように叫ぶメフィストに、その場にいた全員が呆れた。
「君…大分、フィアの事が気に入ってるみたいだけど、どうしてかな?」
──…ただ一人、キルバッシュだけを覗いては…‥
「…え…?」
そして、その言葉に、ピタリと動きを止めたメフィスト
…何故だか、彼の返答に皆が緊張を含んでいる気配が伝わってきた。