へたれンパイア~バイオレンスな生贄~


「ちょ、ちょっと待て…!皆、何か誤解を…」


「幻滅したぞ、フィアーネ・モア」

冷めきった感じでそう言ってくるウェルシーに、あたしは驚く



「な…っ!?」


「‘そう言う事’に全く興味ないフリして、まさか裏でヤる事はヤってたとはな」


「……!!」

完璧に軽蔑した眼差しで見つめてくるウェルシーに、羞恥で顔が火照るのを感じた。



「バ…バカ言うな!これは誤解だ!!」


「どうだかな。お前、意外とイイ体してるし」


「……は?」

しかし、付け加えられるようにして言われたその一言に、思わず頓狂な声が出る。


「……っ」

それに、"しまった"とばかりに口元を押さえるウェルシーに…ゆっくりと振り返るのは、恐怖のお方



「ウェルシー…ごめんね。よく聞こえなかったから、もう一回言って?」


大天使ミカエルの如く、神々しい微笑みを張り付けそう要求してくるキルバッシュに、ウェルシーは青ざめフルフルと首を横に振った。


< 94 / 225 >

この作品をシェア

pagetop