へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「姉さーん…お腹空いたよ。いつ、ココから出してくれんの?」
そんな風に、今この混沌とする状況は誰がせいで生じたと思っているのか…
自分自身の責任の重さに全く気付いていないメフィストは、あたしの服の裾を檻の中からツンツンと引っ張って来て、そう訴えかけた。
「…‥っ、お前なぁ…」
その自覚の無さに、あたしは怒りが込み上げて来て、パシリと手を払う。
「誰のせいで、こんな面倒くさい事になったと思ってるんだ…ッ」
鉄柵の間から手を差し入れ、その胸ぐらを掴んで引き寄せた。
「誰のせい……?何が…?」
もちろん、宇宙一鈍感なソイツは、あたしの言いたいことなんかたったの一ミリも理解せずに、惚けた顔で首を傾げる。
「この状況だ、このジョーキョー!!…きっと、あと数時間後には、根も葉もない変な噂が流れてるに決まってる…ッ!
一体、どうしてくれるんだ…!?」
歯がゆさにギリッ、と奥歯を噛み締めながら、さっきよりも鋭い目付きで睨んでやった。