☆三つ星☆
「叔母さんこそ、よく寝られました?」

早苗は聞き返す。

「トシなのかしらね。最近寝付きが悪いみたいで…」

ふふふと笑う。

叔母さんは、いい人なのだと思う。

行く宛のない私を引き取り、大学に行くまでに育ててくれた。

本当の娘であるかのように可愛がってくれている。

そのことには素直に感謝していた。

でも、実の親を目の前で失った早苗にとって、その悲しみは海より深く、どうしようもない孤独感に襲われることもしばしばあった。
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