☆三つ星☆
太陽が少し高くなってきた頃、山梨の田舎町に到着する。

あの頃とあまり変わっていない事に若干の安堵を覚える。

駅からはバスを使う。

都会のそれと違い山梨のバスは、

学校の床のように木の板を敷き詰めたものであり、

歩くと『ミシッ、ミシッ』と音がする。

小さな頃はこの音が嫌いだったが、

今はこの音を聞くと切なさがこみ上げる。

そう言えば、よく駅前の商店街で買い物をしたなぁと思い出す。

お菓子につくオマケが欲しくてよく母にオネダリをしていたものだ。

ふっとため息を一つつき、窓の外を眺める。
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